中国のインターネットは「グレート・ファイアウォール」と呼ばれる検閲システムにより、私たちが普段利用しているGoogle、X(旧Twitter)、YouTube、LINEなどの多くの海外サービスにアクセスできません。
出張や駐在、旅行で中国を訪れる際、これらのサービスを利用するにはVPNが必須です。
しかし、中国政府はVPNへの規制も強化しており、多くのVPNサービスが中国国内では「使えない」のが実情です。
昨日まで使えていたのに、今日から突然繋がらなくなる、というケースも珍しくありません。
この記事では、VPN Lifeの中国現地滞在チームが、2024年から2025年にかけて北京、上海、天津、蘇州、南昌など複数の主要都市で実際に接続テストを行った結果に基づき、中国で使えるVPNを紹介していきます。
結論:中国でのおすすめVPN
VPN Lifeの長期にわたる検証の結果、中国で快適なインターネット環境を維持するための結論は「メインの安定型VPNと、サブの高速型VPNを組み合わせて契約する」ことです。
具体的には、以下3つのVPNを推奨しています。
VPN Life 現地接続テストの概要
VPN Lifeでは、中国でのビジネス・滞在経験が豊富なSNIのチームを中心にVPNサービスの接続検証を実施しました。
運営メンバーは中国の天津、蘇州、余姚、南昌などに拠点を置き、日常的な業務や生活を通じてVPNを利用。
これらの拠点に加え、出張を通じて北京、上海、厦門といった中国の主要都市でも、それぞれのネットワーク環境におけるVPNの接続安定性を確認しています。
具体的には、下表のように検証を行いました。
| 検証期間 | 主な検証都市 | 詳細記事 |
|---|---|---|
| 2024年4月~9月 | 天津市、上海市、蘇州市、南昌市、寧波市、廈門市 | 検証結果 |
| 2024年10月~12月 | 天津市、上海市、昆山市、蘇州市、南昌市、余姚市 | 検証結果 |
| 2025年1月~3月 | 北京市、天津市、蘇州市、南昌市、余姚市 | 検証結果 |
| 2025年4月~6月 | 天津市、蘇州市、上海市、南昌市、余姚市 | 検証結果 |
| 2025年7月~10月 | 北京市、天津市、蘇州市、上海市、南昌市、余姚市 | 検証結果 |
中国で使えるおすすめVPN
これらの継続的な現地検証に基づき、冒頭の結論で推奨した3つのVPNについて、それぞれの特徴を詳しく解説していきます。
参考:中国でおすすめVPN5選【中国滞在チームが出張・駐在で使えるVPNを選定】
12vpn (12vpx):中国での安定感に定評のあるVPN【中国から契約可能!】

| 本社 | オランダ |
|---|---|
| 公式サイト | https://12vpx.com/ 中国からアクセスする場合:https://blockthis.xyz/ |
| 価格 | 1ヶ月プラン:3,079円/月 1年プラン:1,375円/月 2年プラン:1,100円/月 ※当サイト限定のクーポンで30%引き |
| 無料お試し・返金保証期間 | 14日間 |
| サーバー台数 | 非公開 |
| サーバー設置国 | 31カ国 |
| 日本語対応 | なし 英語のみ |
| 同時接続台数 | 6台(同じサーバーへの同時接続は不可) |
12vpnは、オランダを本社としたVPNプロバイダで、特に中国からの利用に定評のあるVPNです。
中国専用リンクを用意しているので、中国からでも契約できるのが強みです。
12vpnはホームページのマニュアルやサポートが、英語のみであることがネックですが、Cromeの翻訳機能やDeepL等の機械翻訳など駆使すれば、内容の把握には困りません。
- 中国での取り締まりに対する対応が早い
- サポートの対応がよい
- 中国専用リンクで、中国から申し込みできる
- 同時接続台数が6台と多い
- Google Chromeだと拡張機能から簡単に操作できる
- サポートが英語のみの対応になっている
- 中国からの利用をメインで考えている人
- サポートが英語でも翻訳ソフト等を使って対応できる人
\14日間返金保証あり/
30%割引になるクーポンの利用方法を以下の記事で書いているので、あわせてご覧ください。

UCSS:高速通信に定評のある中国に最適化されたVPN

| 本社 | 韓国 |
|---|---|
| 公式サイト | https://my.undercurrentss.biz/ |
| 価格 | UCSS Lite:$29.00/月 UCSS(3ヵ月):$12.00/月~$70.00/月 UCSS(12ヵ月):$9.00/月~$52.50/月 |
| 無料お試し・返金保証期間 | なし |
| サーバー台数 | 非公開 |
| サーバー設置国 | 18カ国以上 |
| 日本語対応 | ◎ |
| 同時接続台数 | 3台(UCSS Liteの場合は2台) |
UCSSは、韓国に本社があるセキュリティ会社が運営するVPN(正確にはShadowsocksプロバイダー)サービスです。
多国籍の専門家グループが運用し、日本人技術スタッフも常駐しているともいわれており、日本語によるサポート体制が整っており、カスタマーサポートも日本語で対応しています。
インターネット規制が厳しい中国での利用に最適化されていて、安定した接続と高速通信を強みとしたサービスです。
- 通信が高速・安定している
- 中国利用に最適化されている
- 日本語サポートがある
- セキュリティレベルが高い
- 多様なデバイスに対応している
- 料金が高め
- データ通信量の上限がある
- 返金保証や無料トライアルがない
- 同時接続台数が少ない
- 中国でNetflixなどの動画配信サービスを存分に楽しみたい人
- 中国でオンラインゲームをプレイしたい人
- 仕事でインターネットを安定して使いたい人
\快適な通信環境を実現できる/

ExpressVPN:アプリの操作性に優れた世界最大手のVPN

| 本社 | 英領バージン諸島 |
|---|---|
| 公式サイト | https://www.expressvpn.com/ |
| 料金 | 1ヶ月プラン:1,539円/月 1年プラン:659円/月 2年プラン:494円/月 ※アドバンスプランの場合 ※当サイト経由の登録で2年プランが+4ヶ月無料に |
| 無料お試し・返金保証期間 | 30日間 |
| サーバー台数 | 3,000台 |
| サーバー設置国 | 105カ国 |
| 日本語対応 | アプリやサポートは日本語、規約は英語 |
| 同時接続台数 | 12台 |
ExpressVPNは世界最大手の老舗で、有料登録者数が全世界で400万人を超えるVPNプロバイダです。
通信速度の速さや安定性に優れたVPNで、当サイトの検証でも常にトップクラスの通信速度を誇っています。
またアプリの起動から接続まで30秒~60秒ほどかかるVPNが一般的な中、ExpressVPNはわずか10秒ほどで起動から接続までを完了できるので、毎日の利用でもストレスがありません。
サーバー設置国、サーバー数も世界トップクラスなので、さまざまな用途で活用可能です。
ただし、中国では接続が不安定なケースがあるので、その点は注意です。
- 通信速度と安定性が優れている
- アプリの動作が早くて使いやすい
- ノーログポリシーを採用している
- サーバー設置国のバリエーションが豊か
- ビットコインでの支払いに対応している
- 中国からでも利用できる
- 価格が他のサービスに比べるとやや高い
- 速度と安定性を重視したい人
- 口コミや実績を重視してVPNを選びたい人
\4ヶ月無料プレゼント+30日間返金保証/

【注意】検証で利用が困難だったVPN
一方で、世界的に人気があっても、私たちの中国現地での検証において、2024年後半から2025年にかけて利用が困難だったVPNサービスもあります。
- NordVPN
- Surfshark
これらのVPNは、専用アプリから何度も接続を試みましたが、接続プロセスが途中で停止し、通信を確立できませんでした。
一部のウェブサイトでは「使える」という情報もあるかもしれませんが、少なくとも私たちが検証した複数の都市環境では、安定した利用は不可能という結果でした。
もっと詳しく:NordVPNは中国で繋がらない?公式見解と実施検証
まとめ:中国ではVPNが2つ以上必要な理由
中国のインターネット検閲は日々変化しています。
「万が一」に備え、通信が遮断されるリスクを分散させることが、中国で快適なインターネットライフを送るための最も重要な対策です。
一つのVPNだけに依存していると、そのサービスが規制対象となった瞬間に、一切の海外サービスにアクセスできなくなり、仕事や連絡に深刻な支障が出ます。
VPN Lifeが推奨する構成は、常時接続用として安定性抜群の「12vpx」をメインに、速度が欲しい時やメインが不調の時の保険として「UCSS」をサブで契約しておくことです。
「中国でのVPNの選び方」や「違法性について」など、さらに詳しい情報やよくある質問(FAQ)については、以下の総合ガイド記事をご覧ください。
もっと詳しく:中国で実際に使えるおすすめVPN5選
短期渡航ならeSIMやローミングも有効
もし数日程度の短期滞在で、利用がスマートフォンメインであれば、VPN以外の選択肢も便利です。
海外用eSIM(Sailyなど)や、日本の「ahamo」の国際ローミングは、「中国の検閲システムを通らない回線」を利用するため、VPNアプリなしでGoogleやSNSにアクセスできます。
ご自身の渡航期間や利用目的に合わせて、最適な方法を選択してください。


