無料で大容量のファイルを扱えるMEGAは非常に便利ですが、5GBという通信の制限に達すると、ダウンロードが中断されてしまいます。
しかし、VPNなどのツールを活用することで、この容量制限を回避し、スムーズに作業を続けることも可能です。
この記事では、MEGAのダウンロード制限を回避する方法を比較し、VPNを利用する手順について解説していきます。
- ExpressVPNなどのVPNアプリをダウンロードする
- VPNサーバーに接続する
- MEGAのダウンロードを再開する
MEGAはダウンロード容量をIPアドレスで判断している
MEGAのダウンロード容量に関する制限は、ユーザーアカウントごとではなく、インターネット接続に使われるIPアドレスごとに設定されています。
IPアドレスとは、インターネット上の住所のようなもので、どの場所からアクセスしているかを識別するためのものです。
そのため、一つのアカウントで容量の上限に達した場合、ログアウトして別のアカウントでログインし直しても、同じインターネット回線(つまり同じIPアドレス)を使用している限り、制限は解除されません。
たとえば、自宅のWi-Fiを利用している場合、パソコンでダウンロード制限がかかると、同じWi-Fiに接続しているスマートフォンでも同様に制限がかかった状態になります。
したがって、MEGAのダウンロード制限をリセットするためには、このIPアドレスを変更することが鍵となります。
この仕組みを理解することが、制限を効果的に回避するための第一歩です。
MEGAのダウンロード容量制限を回避する4つの方法
ここからは、MEGAのダウンロード容量制限をリセットするための方法を紹介します。
それぞれにメリットとデメリットがあるため、ご自身の状況に合わせて最適な方法を見つけてください。
- 制限が解除されるまで6時間待つ
- MEGAの有料プランに課金する
- ルーターの電源を切って再起動する
- VPNを利用する
制限が解除されるまで6時間待つ
最もシンプルで、特別な機材やソフトウェアを必要としない方法が、制限が自然に解除されるのを待つことです。
MEGAは、一定の時間が経過するとIPアドレスごとのダウンロード容量をリセットする仕組みになっています。
一般的に、このリセットまでにかかる時間は6時間程度が目安とされています。
そのため、特に急ぎのダウンロードでなければ、時間を置くことで再びダウンロードが可能になります。
- 誰でも簡単に行える
- 費用が一切かからない
- すぐにでもファイルをダウンロードしたい場合には全く適していない
- ネットワークの混雑状況によっては、6時間以上かかることもある
MEGAの有料プランに課金する
MEGAが公式に提供している解決策が、有料のProプランに加入することです。
無料プランでは1日に5GBという厳しい制限がありますが、有料プランにアップグレードすることで、この転送容量は大幅に増加します。
プランによって異なりますが、月額で1TBから16TBといった、無料プランとは比較にならないほど大容量のデータ転送が可能になります。
頻繁に大容量のファイルをやり取りする方や、MEGAを単なるファイル転送手段としてだけでなく、主要なクラウドストレージとして活用したい方にとっては最も確実で安定した方法です。
- 公式の方法なので接続が安定している
- セキュリティ面での安心感がある
- 月額料金が発生する(ダウンロード制限の回避だけを目的とするユーザーにとっては、コストパフォーマンスが見合わないと感じるかもしれない)
ルーターの電源を切って再起動する
インターネット環境によっては、ルーターの電源を一度切り、しばらくしてから再度電源を入れることでIPアドレスが変更され、制限がリセットされる場合があります。
これは、多く利用されているインターネットサービスが「動的IPアドレス」という仕組みを採用しているためです。
動的IPアドレスは、ルーターの再起動などのタイミングで、プロバイダから新しいIPアドレスが自動的に割り当てられる仕組みです。
この特性を利用すれば、MEGA側からは新しい場所からのアクセスと認識され、ダウンロード容量がリセットされるというわけです。
- 費用がかからず、特別なソフトウェアのインストールも必要ない
- プロバイダによってはIPアドレスがなかなか変更されない
- 固定IPアドレスの契約をしている場合は、この方法を使えない
- ルーターを物理的に再起動するのは手間がかかる(その間、家中のインターネット接続が途切れてしまう)
VPNを利用する
VPN(Virtual Private Network)は、インターネット上に仮想的な専用線を構築し、安全な通信を確保するための技術です。
この技術を利用すると、世界中に設置されたVPNサーバーを経由してインターネットに接続するため、自分のIPアドレスを簡単に、そして何度でも変更できます。
MEGAでダウンロード制限に達したら、VPNアプリを起動して接続するサーバーを別の国や地域のものに切り替えるだけで、IPアドレスが新しくなります。
その後、MEGAのページを更新すれば、ダウンロード容量がリセットされ、すぐにダウンロードを再開できます。
- 数クリックでIPアドレスを変更できる
- サーバー数が豊富な有料VPNサービスを利用すれば、実質的に無制限にダウンロードが可能
- VPNの料金がかかる(しかし、MEGAの有料プランによりは安い)
- 無料VPNを使うと、通信速度が非常に遅かったり、セキュリティ面に深刻なリスクを抱えていたりする場合が多い
手間なくコスパがよいのはVPNの利用【メリット・デメリットを一覧で比較】
ここまでにご紹介した4つの方法を比較すると、手間、コスト、確実性のバランスが最も取れているのはVPNを利用する方法です。
MEGAの有料プランほど高額ではなく、ルーターの再起動ほど手間もかからず、待機する方法のような不確実性もありません。
それぞれの方法のメリット・デメリットを以下の表にまとめました。
| 方法 | メリット | デメリット | コスト | 手軽さ |
| 6時間待つ | コストが不要 ・特別な知識や機材が不要 | 時間がかかる ・すぐにダウンロードできない 解除される時間が不確実 | 無料 | ★★☆ |
|---|---|---|---|---|
| MEGA有料プラン | 公式の方法で安定的・安全 ・転送容量が非常に大きい ・ストレージとしても活用できる | 月額料金が高め | 有料 (月額1,365円~) | ★★★ |
| ルーター再起動 | コストが不要 ・ソフトウェアの導入が不要 | 手間がかかる IPアドレスが必ず変わるわけではない 一時的にネットが完全に不通になる | 無料 | ★☆☆ |
| VPN利用 | 数クリックで簡単にIPアドレスを変更可能 実質無制限にダウンロード可能 ・セキュリティ向上など他の用途にも使える | 信頼できるサービスは有料 無料VPNにはリスクがある | 有料 (月額300円~500円程度) | ★★★ |
表からも分かるように、ダウンロード制限の回避という目的に絞れば、有料VPNは比較的安価な投資で、非常に大きな利便性を得られる選択肢です。
一度導入すれば、MEGA以外の様々な場面でも活用できるため、総合的なコストパフォーマンスは高いと言えます。
VPNを使ってダウンロード容量を回避するステップ
実際にVPNを使ってMEGAのダウンロード制限を回避する手順は、非常に簡単です。
- ExpressVPNなどのVPNアプリをダウンロードする
- VPNサーバーに接続する
- MEGAを利用する
STEP1:VPNアプリをダウンロードする
ExpressVPNの公式サイトに入ります。
その後、料金プラン・支払い方法・決済情報などを入力し、画面の指示にしたがってアプリをダウンロードします。【登録は10分以内に完了します】
申込みプロセスや使い方の詳細は、「ExpressVPNの申込方法・使い方の詳細手順」をご覧ください。
STEP2:VPNサーバーに接続する
ExpressVPNのアプリを開いてログインします。
たとえば、日本のサーバーに接続する場合、検索窓に「日本」と入力後、「日本」を選択して「接続」をクリックすれば、すぐに接続できます。

STEP3:MEGAのダウンロードを再開する
VPNに接続した状態で、MEGAのダウンロード画面に戻り、ブラウザの更新ボタンを押すか、キーボードの「F5」キーを押してページを再読み込みします。
ページが更新されると、ダウンロード容量の制限がリセットされているはずです。
ダウンロードの再開ボタンをクリックすれば、続きからダウンロードが始まります。
再び制限に達した場合は、VPNアプリで別のサーバーに接続し直し、同じ手順を繰り返してください。
サーバーは日本国外のものでも接続しても問題ありません。
VPNでMEGAを利用する際の注意点
VPNは非常に便利なツールですが、利用する際にはいくつか注意すべき点があります。
無料VPNサービスを利用しない
無料VPNサービスの多くは、通信速度に厳しい制限を設けていたり、1ヶ月に利用できるデータ通信量が限られていたりします。
そのため、大容量のファイルをダウンロードしたいMEGAでの利用には、性能が不十分なケースがほとんどです。
さらに深刻なのは、セキュリティ上のリスクです。無料サービスを運営するため、利用者の通信ログを収集して第三者に販売したり、広告を表示させたりする事業者も存在します。
最悪の場合、個人情報が漏洩する危険性も否定できません。
これらの理由から、MEGAの制限回避のためにVPNを利用するのであれば、信頼できる有料サービスの利用をおすすめします。
もっと詳しく:無料VPNの危険性は?有料VPNとの比較
サーバー設置国・台数の多いサービスを選ぶ
有料VPNを選ぶ際は、サーバー設置国や台数の多いサービスにしましょう。
何度もIPアドレスを変えるので、選択肢が多い方がよいからです。
多くの有料VPNには30日間程度の返金保証期間が設けられているため、まずは試してみて、自分の環境で快適に使えるかを確認するのも一つの手です。
FAQ:よくある質問
MEGAのダウンロード制限とVPNの利用に関してよくある質問です。
VPNを使っても制限が解除されないのはなぜですか?
いくつかの原因が考えられます。
最も多いのは、VPN接続後にMEGAのページを更新(リロード)していないケースです。
ページを更新しないと、古いIPアドレスの情報が残ったままになってしまいます。
それでも解除されない場合は、接続したVPNサーバーが、既に他の誰かによってMEGAで利用され、容量上限に達している可能性があります。
その際は、別の国のサーバーに接続し直してみてください。
また、ブラウザのキャッシュが影響していることもあるため、一度キャッシュをクリアしてみるのも有効です。
VPNの利用は違法ではないのですか?
日本を含む世界の多くの国において、VPNを利用すること自体は完全に合法です。
VPNは、プライバシー保護やセキュリティ強化のために、個人や企業で広く利用されている一般的な技術です。
ただし、VPNを利用して著作権を侵害するファイルをダウンロードするなど、違法な行為を行うことは当然ながら法律で禁止されています。
ツールの利用方法が問題になるのであり、VPNそのものに違法性はありません。
もっと詳しく:VPNは違法か?合法か?【VPNの使用を規制している国】
MEGAに課金するのとVPNに課金するのはどちらが良いですか?
どちらが良いかは、利用目的によって異なります。
MEGAでのダウンロード制限回避だけが目的であれば、月額料金が比較的安価で、セキュリティ向上や地域制限コンテンツの閲覧など、他の用途にも幅広く活用できるVPNの方がコストパフォーマンスに優れていると言えます。
一方で、大容量のファイルを安全に保管・共有するクラウドストレージ機能を頻繁に利用するのであれば、公式であるMEGAの有料プランに課金する価値は十分にあります。
ご自身の使い方に合わせて選択するのが最善です。
VPNには他にもメリットはありますか?
個人でVPNを利用する主なメリットは、以下のとおりです。
- フリーWi-Fi利用時のセキュリティを守れる
- 海外から日本のサービスにアクセスできる
- 日本から海外限定のサービスにアクセスできる
- 航空券やホテルを安く予約できる
- YouTube PremiumやNetflixなどのサブスクサービスを安く利用できる
もっと詳しく:VPNを個人利用するメリットは?
まとめ
MEGAのダウンロード容量制限を回避するための4つの方法について解説しました。
MEGAのダウンロード制限は厄介ですが、その仕組みを理解し、適切な対策を講じることで、ストレスなくファイルを扱うことが可能になります。
ご自身の環境や目的に合った方法を見つけ、快適なダウンロード環境を整えてください。
- ExpressVPNなどのVPNアプリをダウンロードする
- VPNサーバーに接続する
- MEGAのダウンロードを再開する

