中国にはグレートファイアウォールと呼ばれる強力なインターネット検閲システムが存在し、多くの海外サービスへのアクセスが制限されています。
それを突破できるのがVPNですが、世界最大手の一つ「NordVPN」が使えないという声が非常に多くみられます。
そこでこの記事では、NordVPNが現在中国で本当に使えないのか、公式の見解や実際の接続テストの結果を交えて詳しく解説していきます。
結論:中国ではNordVPNが繋がらない【公式でも言及】
2025年現在、NordVPNは中国国内では基本的に使えない状況が続いています。
過去には中国でも利用可能な時期がありましたが、近年、中国政府によるインターネット規制(グレートファイアウォール)が一段と強化されました。
この影響を受け、NordVPNのサーバー構成がブロックされてしまったのです。
この状況は、NordVPNの公式サイト(よくある質問ページ)でも言及されています。
公式情報によると以下のように記載されています。
現在、Windows、iOS、Android、macOS、Linuxいずれのプラットフォームでも、NordVPNの公式アプリは中国国内では基本的に機能しない状況が続いています。
難読化サーバーも中国では使用できません。
出典:NordVPN公式サイト
以前は接続できていたという古い情報もインターネット上には存在するため混乱しやすいですが、これから中国へ渡航される方は、現時点では利用できない可能性が極めて高いと認識しておく必要があります。
複数都市+複数サーバーで接続検証を実施
公式サイトの見解だけでなく、VPN Lifeでも実際に接続検証テストを実施しました。
VPN Lifeは、中国でのビジネス・滞在経験が豊富なSNIのチームが運営しています。運営メンバーは中国の天津、蘇州、余姚、南昌などに拠点を置き、日常的な業務や生活を通じてVPNを利用。これらの拠点に加え、出張を通じて北京、上海、広州、厦門といった中国の主要都市でも、それぞれのネットワーク環境におけるVPNの接続安定性を確認しています。
上記のとおり複数の都市で、Windows PCやiPhone等を利用して検証を行いましたが、いずれの都市でもNordVPNには接続できませんでした。
サーバーも日本、香港、韓国、台湾、シンガポールなどのアジアの主要サーバーや、アメリカ、イギリスなどのサーバーにも接続を試みましたが、すべて「接続不可」となりました。
難読化サーバーを利用しても接続できない
NordVPNには「難読化サーバー(Obfuscated servers)」という、VPN通信の利用自体を隠すための特殊な機能が搭載されています。
以前は、難読化サーバーを使うことで厳しい検閲下でも接続できる可能性がありました。
しかし、現在の中国においては、この難読化サーバーも機能していません。
プロトコルを「OpenVPN」に変更して難読化サーバーに接続できる場合もありましたが、少なくともVPN Lifeの中国チームが検証をしてきた限りでは接続できません。
中国で使えるおすすめVPN
NordVPNが利用できないとなると、中国でLINEやGoogle、YouTubeなどを利用するためには、代替となるVPNサービスを準備する必要があります。
幸い、NordVPN以外にも中国での接続実績が報告されているVPNサービスは存在します。
ここでは、中国で使えるVPNサービスを3つ紹介します。
参考:中国でおすすめVPN5選【中国滞在チームが出張・駐在で使えるVPNを選定】
12vpn (12vpx):中国での安定感に定評のあるVPN【中国から契約可能!】

| 本社 | オランダ |
|---|---|
| 公式サイト | https://12vpx.com/ 中国からアクセスする場合:https://blockthis.xyz/ |
| 価格 | 1ヶ月プラン:3,079円/月 1年プラン:1,375円/月 2年プラン:1,100円/月 ※当サイト限定のクーポンで30%引き |
| 無料お試し・返金保証期間 | 14日間 |
| サーバー台数 | 非公開 |
| サーバー設置国 | 31カ国 |
| 日本語対応 | なし 英語のみ |
| 同時接続台数 | 6台(同じサーバーへの同時接続は不可) |
12vpnは、オランダを本社としたVPNプロバイダで、特に中国からの利用に定評のあるVPNです。
中国専用リンクを用意しているので、中国からでも契約できるのが強みです。
12vpnはホームページのマニュアルやサポートが、英語のみであることがネックですが、Cromeの翻訳機能やDeepL等の機械翻訳など駆使すれば、内容の把握には困りません。
- 中国での取り締まりに対する対応が早い
- サポートの対応がよい
- 中国専用リンクで、中国から申し込みできる
- 同時接続台数が6台と多い
- Google Chromeだと拡張機能から簡単に操作できる
- サポートが英語のみの対応になっている
- 中国からの利用をメインで考えている人
- サポートが英語でも翻訳ソフト等を使って対応できる人
\14日間返金保証あり/
30%割引になるクーポンの利用方法を以下の記事で書いているので、あわせてご覧ください。

UCSS:高速通信に定評のある中国に最適化されたVPN

| 本社 | 韓国 |
|---|---|
| 公式サイト | https://my.undercurrentss.biz/ |
| 価格 | UCSS Lite:$29.00/月 UCSS(3ヵ月):$12.00/月~$70.00/月 UCSS(12ヵ月):$9.00/月~$52.50/月 |
| 無料お試し・返金保証期間 | なし |
| サーバー台数 | 非公開 |
| サーバー設置国 | 18カ国以上 |
| 日本語対応 | ◎ |
| 同時接続台数 | 3台(UCSS Liteの場合は2台) |
UCSSは、韓国に本社があるセキュリティ会社が運営するVPN(正確にはShadowsocksプロバイダー)サービスです。
多国籍の専門家グループが運用し、日本人技術スタッフも常駐しているともいわれており、日本語によるサポート体制が整っており、カスタマーサポートも日本語で対応しています。
インターネット規制が厳しい中国での利用に最適化されていて、安定した接続と高速通信を強みとしたサービスです。
- 通信が高速・安定している
- 中国利用に最適化されている
- 日本語サポートがある
- セキュリティレベルが高い
- 多様なデバイスに対応している
- 料金が高め
- データ通信量の上限がある
- 返金保証や無料トライアルがない
- 同時接続台数が少ない
- 中国でNetflixなどの動画配信サービスを存分に楽しみたい人
- 中国でオンラインゲームをプレイしたい人
- 仕事でインターネットを安定して使いたい人
\快適な通信環境を実現できる/

ExpressVPN:アプリの操作性に優れた世界最大手のVPN

| 本社 | 英領バージン諸島 |
|---|---|
| 公式サイト | https://www.expressvpn.com/ |
| 料金 | 1ヶ月プラン:1,539円/月 1年プラン:659円/月 2年プラン:494円/月 ※アドバンスプランの場合 ※当サイト経由の登録で2年プランが+4ヶ月無料に |
| 無料お試し・返金保証期間 | 30日間 |
| サーバー台数 | 3,000台 |
| サーバー設置国 | 105カ国 |
| 日本語対応 | アプリやサポートは日本語、規約は英語 |
| 同時接続台数 | 12台 |
ExpressVPNは世界最大手の老舗で、有料登録者数が全世界で400万人を超えるVPNプロバイダです。
通信速度の速さや安定性に優れたVPNで、当サイトの検証でも常にトップクラスの通信速度を誇っています。
またアプリの起動から接続まで30秒~60秒ほどかかるVPNが一般的な中、ExpressVPNはわずか10秒ほどで起動から接続までを完了できるので、毎日の利用でもストレスがありません。
サーバー設置国、サーバー数も世界トップクラスなので、さまざまな用途で活用可能です。
ただし、中国では接続が不安定なケースがあるので、その点は注意です。
- 通信速度と安定性が優れている
- アプリの動作が早くて使いやすい
- ノーログポリシーを採用している
- サーバー設置国のバリエーションが豊か
- ビットコインでの支払いに対応している
- 中国からでも利用できる
- 価格が他のサービスに比べるとやや高い
- 速度と安定性を重視したい人
- 口コミや実績を重視してVPNを選びたい人
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FAQ:よくある質問
中国でVPNを利用するのは違法ですか?
VPNの利用は、中国の法律上「グレーゾーン」とされています。
公式には政府未承認のVPNの利用は規制対象ですが、現状では、外国人の旅行者や駐在員が私的にVPNを利用したことによって処罰されたという公式な報告はほとんどありません。
もっと詳しく:中国でのVPN利用は違法?【VPN規制の理由】
無料のVPNを使っても問題ないですか?
無料VPNの最大の問題は、セキュリティポリシーが不明確であることです。
最悪の場合、悪意を持って通信データを盗まれる可能性もあるので、セキュリティポリシーがしっかりしている大手の有料VPNの利用をおすすめします。
もっと詳しく:無料VPNの危険性は?有料VPNとの比較
VPNを利用することでどのようなアプリを使えるようになりますか?
VPNなしでは中国で使えない以下のアプリが利用できるようになります。
| カテゴリー | 中国で使えない |
|---|---|
| SNS・メッセージアプリ | Line、Facebook、Instagram、X(Twitter)、WhatsApp、Messenger、Telegram、BeReal |
| 検索エンジン | Google、Yahoo検索 |
| メールアプリ | Gmail |
| 動画サイト・VODサービス | YouTube、Vimeo、ニコニコ動画、中国国外のVODサービス全般(Netflix、TVer等) |
| ニュースサイト | BBC、ニューヨーク・タイムズ、ロイター |
| コミュニケーションツール | Google Meet |
| クラウドストレージ | Google Drive、Dropbox、Box |
| ショッピング | Amazon Japan、メルカリ、ラクマ、楽天市場、Yahooショッピング |
| 生成AIサービス | ChatGPT、Claude、Perplexity、Gemini、Grok、Genspark |
| その他 | Wikipedia、Dify |
NordVPNで日本から中国の動画は見れますか?
いいえ、見られません。
日本から中国国内限定の動画サービスなどを視聴するには、VPNで中国のサーバーに接続する必要があります。
NordVPNは中国国内にサーバーを設置していないため、この目的では利用できません。
渡航前に準備すべきことはありますか?
最も大切な準備は、中国へ出発する前に、日本国内でVPNサービスの契約とアプリのインストールを全て完了させておくことです。
中国国内に着いてからでは、VPNサービスの公式サイト自体がブロックされていてアクセスできず、アプリストアからもVPNアプリが削除されている可能性が高いです。
現地での準備は非常に困難なため、必ず渡航前にご自身のスマートフォンやPCに設定を済ませておきましょう。
ただし、12VPXのように中国からでも契約可能なVPNはあります。
まとめ
NordVPNが中国で使えない現状について、公式の見解と実際の検証結果を基に解説しました。
要点を整理すると、NordVPNは中国政府の規制強化により、公式アプリや難読化サーバーを含めて中国国内では利用できない状況が続いています。
そのため、中国へ渡航する際は、NordVPNの利用を前提にせず、12VPXやUCSSなど、他のVPNサービスを検討しましょう。
VPNの契約とアプリのインストールは、必ず中国に到着する前に日本国内で済ませておくことをおすすめします。
